ボラセンだより

りっけんがつなぐ若者の声

いいねの数 5

りっけんがつなぐ若者の声を紹介いたします。前回に引き続き、メルマガ編集員の大分在住のNatsukiさんから、実際に「不在者投票」を実施してみての現場レポです!

ある大学生の不在者投票レポ

ごきげんよう。前回に引き続き寄稿させて頂きます、Natsukiです。私は今年の春から大学1年生で、進学のために大分県に引っ越してきました。しかし住民票は実家のある千葉県に残してきたので、今回は不在者投票をしました。先日投票に行ってきたので、今回は投票に関して思ったことや、率直な感想などを基に、不在者投票に関して3つの提案をしたいと思います。それは、不在者投票制度の周知、利便性の向上、そして制度の改善です。

私はこれまで不在者投票制度を知らず、1か月ほど前、今回の参議院選の投票はどうすればいいのだろうと思い調べて、初めて知りました。友達も実家を離れてきている人がほとんどなので、投票をどうするつもりか訊いてみたところ、住民票を移していなければ投票できないと思っている人が大半でした。一人暮らしの学生にとって、不在者投票制度はとても助かりますが、認知度が低いのは一つの問題点だと思います。株式会社ガロアが2022年に行った、全国の学生を対象に今回の参議院選への興味・関心について行った調査によると、「投票に行かない」と答えた理由で一番多かったのが、「住民票を移しておらず今の住所では投票できないから」(36%)でした。不在者投票制度の認知度の低さが伺えます。

また、「不在者投票」という言葉も少しわかりづらいと思います。私の出身市のHPの不在者投票のページには、対象者が「出張先や滞在先・転出先など、名簿登録地(選挙人名簿に登録されている場所)の市区町村以外の市区町村で投票する場合」と書いてあって、文の意味を考えた時に、自分がこれに当てはまるのかよくわからず、不安でした。「不在者投票するんだったら名簿登録地以外で投票する訳ではない?あれあれ?よくわからん!」といったみたいに。このような公的なページは、正式名称できちんと書かないといけないのでしょうから仕方ないと思いますが、現実的にわかりやすく「一人暮らしの学生はこの方法で!」とか「住民票を移していない学生も投票できます!」などと、やり方と一緒に書いてくれているものがたくさんあると、認知度も上がるし、不在者投票のハードルが下がると思います。(以下の画像は、宮崎県選挙区に立候補しているくろだ奈々さんのTwitterに掲載されていたものです)。

このように、私は今回不在者投票制度を知り、この方法で投票することにしました。地元の市役所のHPから「投票用紙請求書兼宣誓書」をダウンロードし、必要事項を記入して、適当な茶封筒に入れて切手を貼り、郵送しました。この時点で、正直少し面倒だと思いました。多くの学生にとって投票は、ただでさえ億劫だと思われがちなので、郵送を含む複数の手続きが必要な不在者投票を行おうと思う学生は、正直あまりいないと思います。友達に不在者投票制度の存在を教えても、具体的なやり方のイメージがつかず面倒に感じたようで、反応は微妙でした。手続きをネットで行えるようにするなど、利便性の視点から改善が必要だと思います。
その後1週間ほどでレターパックに入った書類が届き、それらをもって最寄りの期日前投票所に行きました。すると、不在者投票は市役所でしかできないと言われ、炎天下の中2kmほど市役所まで歩くことになってしまいました。私のリサーチ不足で想定外でしたが、不在者投票はすべての期日前投票所でできるわけではないそうなので、皆さんはぜひご注意ください。
何はともあれ、市役所で無事に投票を済ませ、不在者投票制度によって1票を投じることができ、ありがたみを感じました。

最後にこの制度の改善点についてです。住民票を移している友達は投票に行くのかなと思い、訊いてみました。住民票を既に移している人は、はがきが来ていたから投票に行くつもりだったそうですが、改めてよく見たら送り主が出身地の市役所になっていたそうです。調べると、住民票を移してから90日以上たっていないと引っ越し先では投票できないということがわかりました。ほとんどの子がこれを知らず、不在者投票の手続きも間に合わなくなってしまいました。他にも、春に住民票を移した1年生の友達はほとんど皆、この「90日以上」に引っかかってしまい、気づいた頃にはもう遅かったという人も含め、その時点で投票を諦めてしまっていました。7月に行われる参議院選挙では、タイミング的に、毎回多くの大学1年生がこのような事態に陥っていると思われます。この点に関して不在者投票制度を改善すれば、若者の投票率も向上すると思います。

今回は私の投票エピソードと不在者投票に関する意見を書かせていただきました。長くなってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント

CAPTCHA


※お寄せいただいたコメントはこちらの記事のページに公開のコメントとして掲載されることがあります。
※送信されたコメントは削除できません。
削除を希望する方は、jimukyoku@cdp-japan.netまでお問い合わせください。
※不適切なコメントは運営側の判断で削除されることがあります。